「うちの親、そろそろ心配かも…」と思ったときに読んでほしいこと
〜“家族の介護”が始まる前にできる準備〜
こんにちは、ロックです!
地域包括支援センターで働いていると、「なんとなく気になることがあって…」というご相談をいただくことがよくあります。
・最近、同じ話ばかりするようになった
・冷蔵庫を開けたら、同じお茶が何本も買ってあった
・銀行の暗証番号がわからなくなって、困っていた
・ちょっとしたことで怒るようになった
一緒に暮らしていれば毎日のこと。離れて暮らしていても、電話の様子やちょっとした会話の中に、「あれ?」と引っかかる瞬間がありますよね。
そんな“違和感”は、実はとても大切なサインです。
今日は、そんな気づきから始まる「家族の介護の入り口」について、一緒に考えてみませんか?
まずは「気になること」を言葉にしてみよう
介護が必要かどうかって、実は白黒はっきりわかるものではありません。
いきなり「要介護認定を!」という段階ではないけれど、今まで普通にできていたことが、だんだん怪しくなってきた…。
そんな“グレーゾーン”こそが、一番気づきにくくて、一番不安が大きい時期かもしれません。
たとえば、地域包括支援センターにはこんなご相談がありました。
「冷蔵庫を開けたら、同じお惣菜が何パックも入っていて。買ったことを忘れてまた買ってくるんです。」
「銀行に行ったら、暗証番号がわからなくなったと言って、窓口で困っていました。」
「離れて暮らす兄が、『なんで母さんがそんなこともできなくなってるんだ?』って怒ってきて…。でも、やっぱりおかしい気がして相談しました。」
こうした“ちょっとした変化”は、なかなか言葉にしにくいものです。
だからこそ、まずは気づいたことをメモしてみたり、誰かに話してみるだけでも十分です。
心配しすぎ?と思っても、それを確認することが、すごく大事な一歩になります。
相談は、家族だけで抱え込まないのがコツ
不安を感じても、「どこに相談したらいいのかわからない」という方は多いです。
そのときにぜひ思い出してほしいのが、地域包括支援センターの存在です。
簡単に言うと、地域包括支援センターは高齢者の暮らしのよろず相談所。
医療、介護、福祉、お金のことまで――どんな悩みでも、まずはここに相談してみてください。
特に多いのが、「まだ介護が必要ってほどじゃないけど、ちょっと心配で…」というご相談。
そんな曖昧な段階の声こそ、私たちは大歓迎です。
“介護”は、いきなり始まるわけじゃない
「介護=急に何かができなくなる」というイメージを持つ方も多いですが、実際はそうではありません。
「ちょっとした心配ごと」から、介護はゆるやかに始まっていくものです。
最近では、「要支援」や「事業対象者」といった、まだ元気な方でも使える軽い支援サービスが増えています。
見守り、配食、声かけ訪問、通いの場など、生活の中にちょっとだけサポートを入れることで、安心して暮らせる環境が整っていきます。
そのための入口となるのが、要介護認定の申請。
「本格的な介護のため」というより、**「今の状態を知って、これからの備えを考えるため」**のものなんです。
自分の生活も、大切にしていい
家族のことが心配になると、「自分が全部やらなきゃ」と思い込んでしまう方が本当に多いです。
でも、介護は一時的なことではなく、**何年にもわたる“生活の一部”**になります。
支える人が無理をして倒れてしまったら、親の暮らしも守れません。
だからこそ、「頼る」という準備がとても大事です。
サービスや人に甘えることは、手抜きでも無責任でもありません。
それは、“優しさを続けるための工夫”なんです。
おわりに
親の変化に気づけたあなたは、すでに“介護のはじまり”に立っている人です。
不安や迷いがあって当然。わからないことばかりで当然です。
でも、その違和感を見逃さず、動こうとしている――
それが、未来のあなたとご家族を守る、大切な一歩になります。
介護は「抱え込むもの」ではなく、「支え合っていくこと」。
地域には、あなたと一緒に考えてくれる人がたくさんいます。
私たち地域包括支援センターも、いつでもその中の一人です。
「ちょっと相談してみようかな」
そんな気持ちが、きっとあなたとご家族の未来をやさしく照らしてくれますように。
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