投資を始める前の確認シリーズ、第3回前編です。
前回の「目的・期間・リスク許容度の決め方」に続き、今回は代表的な金融商品である株式と債券の違いを整理します。
株式にも債券にも、利益が出る可能性と損失が出る可能性があります。「債券なら安全」と決めつけず、値動き・信用・金利・為替などのリスクを確認することが大切です。
この記事でわかること
- 株式と債券の基本的な仕組み
- 利益が生まれる仕組みと主なリスク
- 商品を比べるときに確認したい項目
株式とは
株式は、会社が事業に必要な資金を集めるために発行するものです。株式を保有する人は株主となり、保有数などに応じて会社に対する権利を持ちます。
株式で利益を得る主な方法は次の通りです。
- 値上がり益:購入時より高い価格で売却できた場合の差額
- 配当金:会社が利益などをもとに株主へ行う分配
- 株主優待:一部の会社が株主に提供する自社製品やサービスなど
ただし、配当や株主優待はすべての会社が実施するものではなく、金額や内容の変更、減配、廃止もあります。株価が購入時より下がれば、売却時に損失が出ます。会社の経営が行き詰まれば、投資した金額の大部分を失う可能性もあります。
株式の主なリスク
- 価格変動リスク:業績、景気、金利、需給などで株価が動く
- 信用リスク:会社の経営悪化や破綻で価値が下がる
- 流動性リスク:希望する価格や時期に売買できない場合がある
- 為替リスク:外国株式では円と外国通貨の値動きも影響する
債券とは
債券は、国、地方公共団体、会社などが資金を借りるために発行するものです。一般的な利付債では、決められた条件で利子が支払われ、満期まで保有すると額面金額が返済されます。
ただし、発行者が約束通りに利子や元本を支払えることが前提です。また、満期前に売却すると、その時点の市場価格によっては購入時より安くなることがあります。
債券の主なリスク
- 信用リスク:発行者の経営悪化や破綻で、利子や元本が支払われない可能性がある
- 価格変動・金利リスク:市場金利などの変化で債券価格が動く
- 流動性リスク:満期前に希望する価格で売却できない場合がある
- 為替リスク:外貨建て債券では、円換算した受取額が為替で変わる
債券は株式より値動きが小さい場合がありますが、種類、発行者、満期までの期間、通貨によってリスクは大きく異なります。「債券」という名前だけで安全性を判断しないようにしましょう。
株式と債券の違いを比べる
| 確認項目 | 株式 | 債券 |
|---|---|---|
| 資金の性質 | 会社への出資 | 国や会社などへの貸付け |
| 主な収益 | 値上がり益、配当など | 利子、売却益など |
| 満期 | 原則としてない | 商品ごとに決められている |
| 価格 | 日々変動する | 満期前は金利や信用力などで変動する |
| 主な注意点 | 株価下落、減配、会社の破綻など | 発行者の信用、金利、途中売却、為替など |
この表は一般的な特徴です。実際の商品には例外があり、株式と債券のどちらが適しているかは、目的、期間、家計、リスク許容度によって変わります。
商品を選ぶ前に確認したい5項目
- どのような仕組みで利益や損失が生じるか
- 元本割れや発行者の破綻の可能性があるか
- 手数料や税金がどのようにかかるか
- 必要なときに売却・換金できるか
- 外国資産の場合、為替の影響を受けるか
説明資料や目論見書を読み、わからない仕組みの商品は、理解できるまで購入を急がないことが大切です。
社会福祉士の視点:急な支出に使うお金は分ける
介護や医療では、予定していなかった支出が生じる場合があります。近いうちに使う可能性があるお金まで投資すると、価格が下がっているときに売却せざるを得ないことがあります。
商品を分散することと、生活に必要なお金を確保することは別の話です。投資商品を選ぶ前に、生活費と生活予備費を分けておきましょう。
次に読む記事
次回は、「投資を始める前に知っておきたい大切なポイント③中編」で、外国資産に関わる為替変動を取り上げます。
参考にした公的情報
まとめ
株式は会社への出資、債券は国や会社などへの貸付けという違いがあります。どちらにも価格変動や発行者の信用などのリスクがあり、利益や元本は保証されません。
本記事は、筆者の経験と公的情報をもとにした一般的な情報提供です。特定の金融商品を勧めるものではありません。商品の内容やリスクを確認し、投資に関する最終判断はご自身で行ってください。

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