豊かな老後を目指すために必要な知識:介護保険の利用までの流れ【中編】
こんにちは、ロックです!
前回の記事では、介護保険の申請から認定結果が出るまでの流れをお伝えしました。
今回は、認定が出たあと、実際に介護サービスを使うまでのステップについて、私たち地域包括支援センターの現場での経験を交えながら、わかりやすくお話ししていきます。
認定結果の区分とは?
「要支援」と「要介護」の2つの区分
介護保険の認定結果は、大きく以下の2つに分かれます:
- 要支援:日常生活にはある程度支障はあるものの、比較的自立しており、介護予防的な支援が中心となる段階。
- 要介護:日常生活において介助が必要で、継続的な介護サービスが求められる段階。
さらに、
- 要支援は「要支援1」「要支援2」
- 要介護は「要介護1」~「要介護5」までの5段階
に細かく分かれ、それぞれの状態に応じて利用できるサービスの内容と量が決まってきます。
サービスを使うには「ケアプラン」が必要
ケアプランとは?
認定を受けた後、すぐに介護サービスが使えるわけではありません。
まずは「ケアプラン(介護サービス計画)」の作成が必要です。
これは、どんなサービスをどのくらい利用するかを整理した「設計図」のようなもの。
一人ひとりの状況に合わせて、適切なサービス内容を決めていく重要なステップです。
ケアマネジャーとの契約がスタート地点
ケアプランは、ケアマネジャー(介護支援専門員)が作成してくれます。
ただし、そのためにはまず、ケアマネジャーが所属している居宅介護支援事業所と契約する必要があります。
🏠【社会福祉士の現場ポイント】
居宅介護支援事業所は、社会福祉法人・医療法人・NPO法人・株式会社などさまざまな法人が運営しています。
選ぶ際には、地域包括支援センターでも事業所一覧や評判などをご案内できますよ。
要支援と要介護で契約先が変わる
- 要介護の方:
→ ケアマネジャーが所属する 居宅介護支援事業所と契約を結びます。 - 要支援の方:
→ まずはお住まいの 地域包括支援センターと契約を結びます。
そのうえで、センター内のケアマネジャーが担当するか、提携している事業所のケアマネジャーが担当になります。
✔ 提携先の希望がある場合は、もちろんリクエスト可能です。実際に、「女性のケアマネがいい」「〇〇病院と関わりのあるところがいい」など、具体的なご相談も多く受けています。
ケアプランの作成内容と費用
どんな内容になるの?
ケアマネジャーは、利用者やご家族と面談を行い、生活状況や困りごとを丁寧にヒアリングします。
それをもとに、以下のようなサービスを組み合わせたプランを提案してくれます:
- 訪問介護(ヘルパー)
- デイサービス(通所介護)
- 訪問看護
- 福祉用具レンタル
- 配食サービス(場合によっては介護保険外) など
プランは月ごとに見直しが可能で、状況に応じて柔軟に変更できます。
ケアプラン作成に費用はかかる?
ご安心ください。
ケアプランの作成費用は、全額介護保険から支払われます。
利用者さんが自己負担する必要はありません。
認定が出ない場合はどうなる?
「非該当」となることもある
申請すれば必ず認定が下りる、というわけではありません。
実際、身体的・認知的にまだ自立している方は「非該当」と判断されることがあります。
この場合、介護保険サービスは利用できません。
ただし、地域によっては高齢者向けの総合事業(介護保険外)や、見守り・配食などの生活支援が利用できることもあります。
✅【地域包括支援センターの役割】
非該当になった方への支援も、私たち包括支援センターの重要な仕事です。
「どうすればいいかわからない」と不安になったら、まずはご相談くださいね。
実際のサービス利用までの流れ
介護サービス事業者との契約
ケアプランが完成したら、次は実際の介護サービスを提供する事業者(たとえばデイサービスなど)と契約を結びます。
この段階では、サービス内容・費用・曜日や時間帯などの詳細をしっかり確認することが大切です。
契約が完了すれば、晴れて介護サービスの利用がスタートとなります。
まとめ:ここまでが介護サービス利用までの流れ!
- 要介護(または要支援)の認定を受ける
- ケアマネジャーと契約し、ケアプランを作成してもらう
- 介護サービス提供事業者と契約を結ぶ
- 実際のサービス利用がスタート!
介護保険の仕組みは少し複雑に感じられるかもしれませんが、一歩ずつ進めていけば大丈夫です。
地域包括支援センターでは、初めての方でも安心して介護保険を使えるよう、制度の説明や申請のサポートを丁寧に行っています。
次回の【後編】では、介護保険サービスを利用する上での注意点やよくあるご質問について、現場ならではの視点も交えて解説していきます。
どうぞお楽しみに!
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