豊かな老後を目指すために必要な知識:介護保険の利用までの流れ【前編】
こんにちは、ロックです!
このブログでは「豊かな老後を目指すために必要な知識」を、社会福祉士としての現場経験を交えながらお届けしています。
しばらくは投資に関する話題が続いていましたが、今回はもうひとつ大切なテーマ、**「介護保険の利用までの流れ」**についてご紹介していきます。
実際に地域包括支援センターで働く中で、制度のしくみが分かりにくくて困っている方によくお会いします。
そんな皆さんのお役に立てるよう、できるだけわかりやすくお伝えしていきますね。
介護保険ってそもそも何?
「保険」と聞いて思い浮かぶもの
「介護保険」という言葉は聞いたことがあっても、「実際どういうものなの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
仕組みとしては、自動車保険と似ています。
将来介護が必要になった時に備えて、40歳から保険料を支払い、いざというときにその“保障”を受けられる仕組みになっています。
車の保険とどう違うの?
自動車保険は、車を購入した年齢で自分で契約してその瞬間から適用されますが、介護保険は40歳になると自動で加入することとなります。
会社員の方なら、給与から自動的に保険料が天引きされているので、気づかないうちに保険に加入していることもあるかもしれませんね。
「介護保険を使いたい」と思ったときにやるべきこと
保険は「申請」しないと使えません
実際の現場でも、「もう高齢だから、介護保険は自動で使えると思っていた」と話される方が多くいます。
でも、介護保険は“申請しなければ使えない制度”なんです。
こんなときが相談のタイミング
たとえば──
- ご両親が入院後、体力が落ちて自宅での生活が不安になった
- 転倒して動きづらくなり、買い物やトイレが困難になった
- 認知症の症状が見られ、家族だけでは対応が難しくなってきた
こういった場面が、介護保険の申請を検討するひとつの目安になります。
実際、地域包括支援センターにもこうした相談がよく寄せられます。
申請はどこでできるの?
市区町村の窓口で
基本的には、お住まいの市区町村(住民票のある場所)の介護保険担当窓口が申請先です。
「介護保険課」「高齢福祉課」など名称は自治体によって異なります。
地域包括支援センターでもOK
そして、私たち地域包括支援センターでも、申請手続きの代行が可能です。
「市役所は遠くて…」「平日に行けなくて…」といった声もよくあるので、近所の包括センターにご相談いただくのも一つの方法ですよ。
申請したあとの流れは?
調査と医師の意見で「介護度」を決めます
申請後は、まず「要介護認定調査」が行われます。
これはご本人の自宅や施設に調査員(市や委託事業所の職員)が訪問し、どれくらいの介護が必要かを確認するものです。
並行して、かかりつけ医に「主治医意見書」の作成を依頼します。
医師の立場から、身体・認知機能の状態などを詳しく記載してもらう大切な書類です。
認定は2段階で審査されます
- コンピューターによる一次判定
- 医師や介護福祉の専門職が参加する二次審査会による判定
これらの過程を経て、「非該当(介護保険対象外)」「要支援1・2」「要介護1〜5」といった認定が下されます。
まとめ:ここまでが「介護保険利用までの前半の流れ」
- 介護保険は申請しないと使えない制度
- 申請後には調査と医師の意見をもとに、必要な介護のレベルが認定される
- 認定結果によって、利用できるサービスの内容が大きく異なる
認定までの流れは少し複雑に感じるかもしれませんが、困ったときは地域包括支援センターが伴走します。
申請の手続きから、調査当日のアドバイスまでサポートできますので、おひとりで抱え込まないでくださいね。
次回の【中編】では、要支援・要介護の区分による違いや、ケアマネジャーとの関わり、ケアプランの作成といった実際のサービス利用の準備についてお話ししていきます。
それでは、次回もぜひご覧ください!
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