こんにちは、社会福祉士のロックです。
要支援1・2の方が通うサービスは、一般に「デイサービス」と呼ばれていても、要介護1〜5の方が利用する通所介護とは制度上の扱いが異なります。料金表を見ても、月額、1回ごと、単位、加算などの言葉が並び、分かりにくいと感じる方も多いでしょう。
この記事では、地域包括支援センターで相談支援に携わった経験をもとに、要支援者等が利用する通所型サービスの仕組み、料金の見方、欠席時の扱い、利用開始までの流れを整理します。
結論からいうと、要支援1・2の通所サービス料金は全国一律ではありません。市区町村、サービスの種類、利用方法、地域単価、加算、食費などで変わります。
この記事でわかること
- 要支援1・2の方が利用する通所型サービスの仕組み
- 月額方式と1回方式の違い
- 国が示す基本単位と、実際の支払額が異なる理由
- 食費・加算・キャンセル料などの確認方法
- 欠席した月や月途中で利用を始めた場合の考え方
- 利用開始前に地域包括支援センターへ伝えること
要支援者の「デイサービス」は総合事業
要支援1・2の方や、基本チェックリストで生活機能の低下が確認された事業対象者が利用するのは、市区町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業の「通所型サービス」が中心です。
| 対象 | 主な通所サービス | 制度上の位置付け |
|---|---|---|
| 要介護1〜5 | 通所介護、地域密着型通所介護など | 介護保険の介護給付 |
| 要支援1・2 | 総合事業の通所型サービス | 市区町村が実施する地域支援事業 |
| 事業対象者 | 総合事業の通所型サービス | 基本チェックリスト等を経て利用 |
同じ建物、同じ送迎車、同じ職員が関わる場合でも、利用者の認定区分によって制度上のサービス名や料金コードが異なることがあります。施設の案内に「デイサービス」と書かれているだけでは、料金の仕組みまで判断できません。
要介護者向けの通所介護の対象、支援内容、選び方は前編で詳しく解説しています。

要支援1・2と事業対象者の違い
要支援1・2
要介護認定の結果、日常生活の一部に支援が必要で、状態の維持・改善が見込まれると判定された方です。総合事業の通所型サービスに加え、必要に応じて介護予防訪問看護や介護予防福祉用具貸与などもケアプランに位置付けます。
事業対象者
原則として65歳以上の第1号被保険者が、基本チェックリスト等によって総合事業の対象と判断された場合です。要介護認定を待たずに総合事業を利用できる場合がありますが、利用できるサービスの範囲は要支援認定を受けた場合と同じではありません。
40〜64歳の第2号被保険者は、基本チェックリストだけで事業対象者になる仕組みではありません。特定疾病による支援が必要な場合は、市区町村へ要介護認定の申請方法を確認してください。
通所型サービスには複数の種類がある
総合事業の内容は市区町村ごとに設計されます。国が示す代表的な類型は次のとおりですが、すべての自治体がすべての種類を実施しているわけではありません。
| 類型 | 内容の例 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 指定相当・従前相当サービス | 従来の介護予防通所介護に相当する支援 | 利用頻度、月額・1回方式、加算 |
| サービス・活動A | 人員等の基準を緩和した通所型サービス | 送迎、食事、入浴、専門職の配置 |
| サービス・活動B | 住民主体の通いの場や支援 | 参加条件、参加費、送迎、安全管理 |
| サービス・活動C | 専門職による短期集中の介護予防 | 実施期間、目標、終了後の生活 |
名称が似ていても、送迎・食事・入浴・機能訓練の有無、利用できる期間、負担方法は異なります。「デイサービスに通いたい」だけでなく、「入浴を続けたい」「安全に買い物へ行きたい」「家族以外と交流したい」など、生活上の目的を相談時に伝えることが大切です。
料金は月額方式と1回方式がある
要支援者等の通所型サービスは、すべてが月額定額制というわけではありません。指定相当サービスでも、利用頻度や市区町村の取扱いにより、月額方式または1回方式で算定されます。自治体独自サービスでは、定額の参加費など別の仕組みを採用する場合もあります。
国が示す指定相当通所型サービスの基本単位
2026年7月時点で国が示す基本単位は次のとおりです。これは指定相当通所型サービスの基準であり、全国共通の支払額を示すものではありません。
| 区分 | 月額方式 | 1回方式 |
|---|---|---|
| 事業対象者・要支援1相当 | 月1,798単位 | 1回436単位・月4回まで |
| 事業対象者・要支援2相当 | 月3,621単位 | 1回447単位・月8回まで |
「単位」は「円」ではありません。実際の介護保険対象額は、単位数に地域ごとの1単位当たり単価を掛け、加算・減算などを反映して計算します。そのうえで、負担割合証に記載された1割・2割・3割の割合に応じた自己負担が生じます。
月額方式と1回方式は、利用者が自由に安い方を選ぶ仕組みではありません。市区町村の基準、介護予防ケアプランまたは介護予防ケアマネジメント、利用頻度などに基づいて決まります。
自治体独自サービスは負担方法も異なる
サービス・活動A、B、Cなどは、市区町村により定率負担、1回の定額負担、参加費などが設定されます。そのため「総合事業ならすべて1〜3割負担」とも言い切れません。自治体の料金表で、利用予定のサービス名と費用を確認してください。
介護保険対象分以外にかかる費用
| 費用 | 主な扱い | 確認場所 |
|---|---|---|
| 基本サービス費 | 制度・サービス類型に応じた負担 | 自治体の料金表、重要事項説明書 |
| 加算 | 提供体制や支援内容により追加 | 事業所の料金表 |
| 食費・おやつ代 | 原則として全額自己負担 | 事業所の料金表 |
| おむつ・日用品・材料費 | 内容により別途負担 | 重要事項説明書 |
| 通常範囲外の送迎費 | 契約条件により生じる場合がある | 送迎範囲と契約書 |
| キャンセル料 | 食事の準備後などに生じる場合がある | キャンセル規定 |
以前の記事にあった「昼食800円」「加算500円」といった例は、全国共通ではありません。利用前に、介護保険対象分と保険外費用を分けた1か月の見込み額を事業所へ出してもらうと比較しやすくなります。
自分の地域の料金を確認する5つの手順
- 被保険者証や認定結果で、要支援1・2または事業対象者の区分を確認する
- 地域包括支援センターへ、利用する通所型サービスの正式名称を聞く
- 月額方式・1回方式・参加費方式のどれかを確認する
- 負担割合証、加算、食費、日用品費、送迎費を確認する
- 1回分だけでなく、予定回数を含めた1か月の見込み額を書面でもらう
事業所の料金表だけでは判断しにくい場合は、地域包括支援センターや市区町村の介護保険・高齢福祉担当窓口へ確認してください。サービスの正式名称が分かると、自治体の案内ページも探しやすくなります。
欠席した月の料金はどうなる?
欠席時の扱いも、算定方法と契約内容で異なります。
| 状況 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 1回方式で欠席 | 基本サービス費は実際に提供された回数で算定。食事等のキャンセル料は別途確認 |
| 月額方式で単発の欠席 | 欠席日数分が必ず減額されるとは限らない |
| 月途中の契約開始・解除 | 国が定める事由に該当すれば算定対象期間の日数で日割り |
| 要支援区分・事業所の変更 | 変更日や契約状況に応じて日割りとなる場合がある |
| 長期入院・1か月利用なし | 自治体ルール、契約、サービス提供状況を個別確認 |
日割りは、単純に「出席した日数」だけで計算するものではありません。月途中の契約日などから月末までの算定対象期間を使う場合があります。体調不良が続くときは、欠席連絡とあわせて担当者へ料金の扱いを確認しましょう。
利用開始までの流れ
- 市区町村の窓口または地域包括支援センターへ相談する
- 要介護認定の申請または基本チェックリスト等で状態を確認する
- 本人の困りごと、希望、できることを整理する
- 介護予防ケアプランまたは介護予防ケアマネジメントを作成する
- 利用するサービスの種類、頻度、事業所を決める
- 見学し、料金と支援内容の説明を受けて契約する
- 利用後に目標とサービス内容が合っているか見直す
介護保険の申請から利用までの全体像、ケアプラン作成の流れは次の記事で解説しています。


相談時に伝えるとよいこと
- 自宅で続けたい生活や、今困っている動作
- 入浴、食事、運動、交流など希望する支援
- 持病、服薬、転倒、認知機能について心配なこと
- 送迎できる時間帯と玄関までの介助の必要性
- 家族の仕事や休息など、介護を続けるうえでの事情
- 毎月無理なく支払える費用の範囲
社会福祉士としてのポイント
料金の安さだけで選ぶと、必要な送迎や入浴がなく、利用が続かないことがあります。反対に、支援が多ければよいとも限りません。本人の目標に必要な支援と総額をセットで比べてください。
担当者へ相談するときの準備や、合わない場合の変更方法は次の記事も参考にしてください。

見学・契約前の確認リスト
- 制度上の正式なサービス名
- 月額方式、1回方式、参加費方式のどれか
- 1か月の利用予定回数と自己負担見込み
- 食費、日用品費、材料費、送迎費
- 欠席連絡の期限とキャンセル料
- 月途中の開始・終了時の計算方法
- 送迎、食事、入浴、機能訓練の有無
- 短期集中型の場合は利用期間と終了後の支援
よくある質問
要支援1なら必ず月額1,798単位ですか?
必ずではありません。1,798単位は国が示す指定相当通所型サービスの月額方式の基本単位です。1回方式や自治体独自サービスを利用する場合があり、加算・地域単価・負担割合・保険外費用も支払額に影響します。
1回しか行けなかった月も月額全額ですか?
利用しているサービスの算定方法によります。1回方式なら提供回数が基本ですが、月額方式では単発の欠席が必ず日割りになるとは限りません。自治体、地域包括支援センター、事業所へ確認してください。
食費も1〜3割負担ですか?
食費やおやつ代は介護保険の給付対象外で、原則として全額自己負担です。金額は事業所ごとに異なります。
認定を受けていなくても利用できますか?
65歳以上の方は、基本チェックリスト等を経て事業対象者となり、総合事業を利用できる場合があります。ただし、介護予防訪問看護など総合事業以外のサービスが必要な場合は、要支援認定が必要になることがあります。
要介護者向けのデイサービスを選べませんか?
法令上の通所介護は要介護1〜5の方が対象です。ただし、同じ事業所が要介護者向けの通所介護と、要支援者等向けの総合事業を一体的に運営していることがあります。希望する事業所が総合事業の指定を受けているか確認してください。
まとめ
- 要支援1・2や事業対象者の通所サービスは、市区町村の総合事業が中心
- 料金は全国一律ではなく、月額方式・1回方式・参加費方式などがある
- 単位は円ではなく、地域単価・加算・負担割合で実際の支払額が変わる
- 食費、日用品費、キャンセル料などは別途負担になる場合がある
- 月額方式では、単発の欠席が必ず日割りになるとは限らない
- 正式なサービス名と1か月の見込み額を、自治体・地域包括支援センター・事業所で確認する
通所型サービスは、本人が自宅での生活を続けるための手段です。名前や料金だけで決めず、「何をできるようになりたいか」「どの支援なら無理なく続けられるか」を担当者と整理して選びましょう。
参考にした公的情報
- 介護予防・日常生活支援総合事業の指針(厚生労働省)
- 通所型サービス費の算定基準(厚生労働省)
- 指定相当通所型サービスの運営基準(厚生労働省)
- 介護保険事務処理システム変更に係る参考資料(WAM NET)
- 通所介護(デイサービス)の説明(厚生労働省)
本記事は2026年7月時点の公的情報をもとにした一般的な解説です。総合事業の対象、名称、利用条件、単位数、自己負担、日割り、保険外費用は市区町村・事業所・本人の状況により異なります。個別の料金は、市区町村、地域包括支援センター、担当者、利用予定事業所の重要事項説明書でご確認ください。

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