2025年6月第2週、私はセーレン(証券コード3569)をNISA口座で2株、1株2,288円で購入しました。合計購入額は4,576円です。
購入理由の一つは「保有していなかった繊維関連を加え、業種を分散したい」という考えでした。しかし、購入直前の決算を詳しく見ると、セーレンは複数事業を持つ一方、売上の約68.8%を車輌資材が占めていました。
この記録から得た一番の学びは、会社名や東証の業種分類を一つ増やすだけでは、実質的な分散にならないということです。
この記事で検証すること
- 購入価格・株数・予想配当利回りの検算
- 自己資本比率とキャッシュフローの読み方
- 「繊維株を追加=業種分散」とは限らない理由
- 株主優待を購入理由に含める前の確認点
同じ銘柄の購入を勧める記事ではありません。購入当時の事実を変えず、当時の判断で不足していた点を公式資料で検証します。
購入記録|セーレンを2株
| 購入時期 | 2025年6月第2週 |
|---|---|
| 会社名 | セーレン株式会社 |
| 証券コード | 3569 |
| 口座 | NISA口座 |
| 購入株数 | 2株 |
| 購入単価 | 2,288円 |
| 合計購入額 | 4,576円 |
| 購入時の想定年間配当 | 1株76円 |
| 購入時の予想配当利回り | 約3.32%(税引前) |
購入額は、2,288円×2株=4,576円です。元記録には売買手数料等の記載がないため、実際に手数料が発生していた場合の取得総額は証券会社の取引報告書で確認する必要があります。
予想配当利回り3.32%の計算
元記事の予想配当利回り3.32%は、1株当たり年間76円を前提にすると再現できます。
76円 ÷ 2,288円 × 100 = 約3.32%
2株を1年間保有し、1株76円の配当が予想どおり支払われると仮定した税引前配当額は、76円×2株=152円です。
3.32%は購入価格に対する予想配当の割合であり、株価上昇や配当維持を保証する数字ではありません。購入時点の予想額、決算期、増配・記念配当の有無を公式資料で確認してから計算します。
購入時に考えていた3つの理由
1.個別株の業種を分散したかった
当時の保有株には繊維製品関連がなく、セーレンを加えれば業種の偏りを小さくできると考えました。2株なら少額で始め、決算を追いながら判断を見直せる点も理由でした。
ただし、この考えは「会社の業種名」と「実際に利益を生む事業」を混同していました。後の章で、売上構成から分散効果を検証します。
2.財務の安定性に注目した
購入前の2025年3月期決算では、自己資本比率は71.7%でした。前期の66.0%から上がっており、元記事の「70%超」という数字は公式資料と一致します。
ただし、自己資本比率が高いだけで「安心して保有できる」と断定はできません。利益が減る、主要事業の需要が落ちる、為替や原材料価格が動くなど、貸借対照表だけでは分からないリスクがあります。
3.配当を受け取る目的に合うと考えた
予想配当利回り3.32%は、私が配当株へ求める水準を検討する材料の一つでした。しかし、利回りだけでなく、利益と営業キャッシュフローから無理なく配当を支払えるか、設備投資後に資金が残るかを確認する必要があります。
2025年3月期の公式決算を確認
購入直前の2025年5月15日に公表された2025年3月期連結決算では、主な数字は次のとおりでした。
| 項目 | 2025年3月期 | 前期比等 |
|---|---|---|
| 売上高 | 159,653百万円 | 12.5%増 |
| 営業利益 | 17,865百万円 | 27.0%増 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 13,887百万円 | 14.2%増 |
| 自己資本比率 | 71.7% | 前期66.0% |
| 営業活動によるキャッシュフロー | 20,538百万円 | プラス |
| 投資活動によるキャッシュフロー | マイナス11,810百万円 | 設備・有価証券取得等 |
営業キャッシュフロー20,538百万円と投資キャッシュフローマイナス11,810百万円を単純に合計すると、8,728百万円のプラスです。元記事の「フリーキャッシュフローがプラス」という見方はこの年度では確認できます。
ただし、フリーキャッシュフローの定義は分析方法によって異なります。1年だけのプラスで配当余力を断定せず、設備投資の内容、運転資金、複数年の推移も見ます。
「繊維株を買ったから分散できた」とは限らない
2025年3月期のセグメント別売上高を見ると、車輌資材は109,816百万円、連結売上高は159,653百万円でした。
109,816百万円 ÷ 159,653百万円 × 100 = 約68.8%
売上高ベースでは約7割が車輌資材です。繊維技術を使う会社でも、実質的には自動車生産、海外需要、為替、原材料・物流費などの影響を大きく受けます。
ほかにもハイファッション、エレクトロニクス、環境・生活資材、メディカルなど複数事業がありますが、個別株1社を追加しただけで十分に分散したとは言えません。
業種分散を確認するときは、銘柄数ではなく次の項目を見ます。
- 売上・利益が大きい事業
- 主要顧客と需要の影響を受ける業界
- 国内・海外の売上比率と為替の影響
- 保有株全体で同じ景気要因に偏っていないか
- 一社の業績悪化が家計へ与える金額
好決算でも確認したいリスク
- 自動車関連への集中:生産台数や顧客企業の動向が車輌資材へ影響する
- 為替・海外事業:円換算の業績や海外拠点の収益が変動する
- 原材料・エネルギー・物流費:価格転嫁が遅れると利益率を圧迫する
- 設備投資:将来の成長につながる一方、回収が想定どおり進まない可能性がある
- 減配・株価下落:過去の配当や好決算は将来を保証しない
2025年3月期には売上高・各利益が増えましたが、環境・生活資材とメディカルでは利益が前期を下回りました。会社全体の好調だけでなく、事業ごとの差も確認します。
株主優待は2株では対象にならない
元記事では「100株保有で自社商品割引券を年2回」と記録していました。今回の購入は2株なので、この時点では優待の必要株数に届きません。
優待制度は内容、必要株数、基準日が変更・廃止されることがあります。100株まで買い増す理由にする前に、会社の最新IRと株主向け書類で条件を再確認します。
割引券は、使わない商品を買えば節約になりません。額面ではなく、普段買う商品に実際に使えるか、送料や追加支出を含めても家計が得をするかで判断します。
当時の判断で残っていなかった情報
元の購入記録には、生活防衛資金の残高、近い将来の支出、高金利の借入れ、購入後の個別株比率が記載されていません。そのため、2026年の今から「家計上も適切な購入だった」と断定はできません。
現在なら、購入前に次の順番で確認します。
- 毎月の家計が黒字か
- 高金利の借入れを先に返済すべきではないか
- 生活防衛資金と数年以内に使う現金を確保したか
- 長期積立の中心となる投資信託を続けられているか
- 個別株全体と自動車関連の比率が上がり過ぎないか
- 減配と株価下落が重なっても保有できる金額か
分散の中心は低コストの投資信託
私の長期資産形成では、低コストで国内外へ広く分散されたインデックス型の投資信託を中心にします。投資信託は一律に手数料が高い商品ではなく、購入時手数料がなく、信託報酬が低い商品もあります。
個別株で何社かに分けても、景気要因、国、通貨、業界が重なれば分散効果は限られます。投資信託は目論見書で投資対象と費用を比較し、個別株は家計を揺らさない範囲に限定します。
金融庁も、元本割れの可能性を示したうえで、長期・積立・分散を組み合わせる考え方を案内しています。詳しくは金融庁「資産形成の基本」を確認してください。
前週の個別株購入で、配当利回りと財務の参照時点を検証した記録は、E・Jホールディングスを2株購入した記録にまとめています。
まとめ|業種名ではなく売上構成まで見る
2025年6月第2週、セーレンを2株、合計4,576円で購入しました。年間配当76円を前提にした購入時の予想配当利回りは約3.32%です。
自己資本比率71.7%と営業キャッシュフローのプラスは確認できましたが、それだけで安全とは言えません。また、繊維関連を増やしたつもりでも、売上の約68.8%を車輌資材が占めていました。今後は会社名や業種分類ではなく、事業別売上と保有株全体の共通リスクまで確認します。
注意:この記事は筆者個人の過去の購入記録であり、セーレン株や特定の投資方法を勧めるものではありません。株式は元本割れや減配・無配の可能性があります。最新の決算、配当、優待、リスクを会社の公式資料で確認し、最終的な投資判断はご自身で行ってください。


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