投資を始める前に確認したいこと③中編|為替リスクと円高・円安の見方の巻

投資に関する知識や考え方

投資を始める前の確認シリーズ、第3回中編です。

前編の「株式と債券の違い・主なリスク」では、外国の株式や債券には為替の影響があると説明しました。今回は、為替リスクが円で見た資産額にどう影響するのかを、計算例で整理します。

外国資産の円換算額は、資産そのものの値動きに加えて為替でも変わります。外貨で値下がりしていなくても、円高によって円換算額が減ることがあります。

この記事でわかること

  • 為替レート、円高、円安の基本
  • 外国資産の円換算額が変わる仕組み
  • 為替ヘッジの有無を確認する理由

為替レートとは

為替レートは、異なる通貨を交換するときの比率です。「1ドル=150円」であれば、1ドルを買うために150円が必要という意味です。

為替レートは、各国の金利、景気、物価、政治情勢、市場の需給など、さまざまな要因で変動します。将来の動きを正確に予測し続けることは簡単ではありません。

円高と円安の見分け方

変化円から見た意味
円安1ドルを買うのに、より多くの円が必要1ドル150円から170円
円高1ドルを、より少ない円で買える1ドル150円から130円

数字が大きくなると「円が高くなった」と感じやすいのですが、1ドルを買うために必要な円が増えているので円安です。反対に、必要な円が減れば円高です。

為替リスクを計算例で確認する

1ドル=150円のときに、1,000ドル分の外国資産を保有したとします。購入時の円換算額は15万円です。

その後の為替1,000ドルの円換算額購入時との差
1ドル=170円(円安)17万円プラス2万円
1ドル=130円(円高)13万円マイナス2万円

この例では、外国資産の価格が1,000ドルのまま変わらないと仮定しています。それでも、円に換算した金額は為替で増減します。実際の投資では、資産価格の変動、為替手数料、運用コスト、税金なども影響します。

円で買える投資信託にも為替リスクはある

外国株式や外国債券に投資する投資信託は、日本円で購入できても、組み入れている資産が外国通貨の影響を受ける場合があります。購入画面が円表示だから為替リスクがない、とは限りません。

目論見書や商品説明で、投資対象の国・通貨と「為替ヘッジあり/なし」を確認します。

為替ヘッジとは

為替ヘッジは、為替変動による影響を抑えるための取引です。

  • 為替ヘッジあり:為替の影響を抑えることを目指すが、完全になくせるとは限らず、ヘッジのための費用がかかる場合がある
  • 為替ヘッジなし:為替変動の影響をそのまま受けやすい

どちらが常に有利とは言えません。投資する目的、期間、コスト、他に持っている資産を合わせて考えます。

外国資産を選ぶ前の確認リスト

  1. どの国・地域・通貨の資産に投資する商品か
  2. 為替ヘッジの有無と費用
  3. 円高・円安のときに基準価額がどう動く可能性があるか
  4. 為替以外の価格変動・信用・流動性リスク
  5. 換金手数料や税金を含めた費用

為替だけを予想して商品を選ぶのではなく、その商品が何に投資し、どのようなリスクと費用があるかを全体で確認しましょう。

社会福祉士の視点:将来も把握できる管理にする

高齢者支援の現場では、ご本人や家族が、どの金融機関にどのような資産があるのか把握できず困る場面があります。年齢だけで判断能力が決まるわけではありませんが、病気、入院、認知機能の変化などにより、管理が難しくなる可能性は誰にでもあります。

商品を増やしすぎず、金融機関名、商品の種類、相談窓口を一覧にして安全な場所で管理しておくと、本人の確認にも家族との情報共有にも役立ちます。口座番号やパスワードを人目に触れる場所へ置かないなど、情報管理には注意してください。

次に読む記事

次回は、「投資を始める前に知っておきたい大切なポイント③後編」で、不動産、コモディティ、預貯金の特徴を整理します。

参考にした公的・業界情報

まとめ

外国資産の円換算額は、資産価格と為替の両方で変わります。円高は円換算額を押し下げる要因、円安は押し上げる要因になりますが、実際の損益には手数料や税金なども影響します。

本記事は、筆者の経験と公的・業界情報をもとにした一般的な情報提供です。特定の金融商品を勧めるものではありません。商品の内容やリスクを確認し、投資に関する最終判断はご自身で行ってください。

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