「落とし所を見つける」という考え方
〜地域包括支援センターの現場から〜
こんにちは、ロックです!
今日は「落とし所を見つける」という考え方について、地域包括支援センターでの経験をもとに綴ってみたいと思います。
介護のことやお金の話って、どうしても“正解”を探したくなるものです。
けれど、実際のところはスパッと答えが出ることばかりではありません。
100点じゃなくて、70点でいい
正解のない問題に向き合うときの考え方
日々の暮らしの中で、私たちはつい「正しい答え」を求めがちです。
しかし、介護や生活支援に関わる問題というのは、いわば“答えのない問い”の連続です。
誰にとっての正解なのか?
その人の立場、タイミング、状況によって、最適解は常に変わっていきます。
だからこそ私は、「100点を目指さず、70点で十分」という考え方を大切にしています。
完璧じゃなくていい。でも、みんなが「これならまあ納得できる」と感じられるライン。
それが、“落とし所”ではないかと思っています。
【事例紹介】在宅か施設かで揺れるご家族の葛藤
よくある地域包括の相談場面
地域包括支援センターには、さまざまな相談が寄せられます。
例えば、「自宅で介護を続けるべきか、施設を検討すべきか」といった家族間の葛藤について相談を承る機会は多いですね。
あるご家族のケースをご紹介します。
- 「母には家で過ごしてほしい」という娘さん
- 「もう限界。施設にお願いしよう」というお婿さん
どちらの言い分も理解できるし、誰が間違っているという話ではありません。
でも、話し合いは平行線のままでした。
現実的な“ちょうどいい案”のご提案
地域包括支援センターで提案した「落とし所」づくり
私が提案したのは、
**「週の半分はショートステイを利用し、残りは自宅で過ごす」**というハイブリッドな方法です。
この方法が、思った以上にうまく機能しました。
- お母さまご本人:「家にも帰れるから安心」と納得
- 娘さん:「家での時間もあるから、母が喜んでいる」と実感
- お婿さん:負担が軽減され、気持ちにも余裕ができる
これは、まさに“みんなにとっての70点”。
完璧ではないけれど、現実的に継続できるラインでした。
「落とし所」は、現実と向き合う力
妥協ではなく、“やさしい知恵”としての選択
「中途半端じゃないか」「逃げでは?」と思う方もいるかもしれません。
でも私は、落とし所を探すというのは、むしろ現実としっかり向き合う力だと感じています。
介護も、お金のことも、正論や理想だけでは立ち行かなくなる場面があります。
だからこそ、無理のある“正解”よりも、みんなが継続できる“ちょうどよさ”を選ぶ。
その方が、結果的に支援としても、家族関係としても良い方向に進むことが多いと実感しています。
無理なダイエットより、続けられる健康習慣の方が成果を出せるように、
「続けられること」こそが、一番の正解なのかもしれません。
おわりに:笑って続けられる70点を目指して
介護も生活支援も、お金のことも、背負いすぎると誰かが潰れてしまいます。
だからこそ、100点を求めるのではなく、
みんなが笑って過ごせる70点を探すことが、知恵であり、やさしさだと思うのです。
肩の力を抜いて、
「このくらいが、うちのちょうどいいかもね」と言える日々を、
地域包括支援センターとしても、支えていけたらと願っています。
あなたの“落とし所”はどこですか?
もし、似たような経験や、印象に残っている“落とし所”があれば、ぜひコメントやご意見をお寄せください。
みなさんの声が、誰かの気づきや励ましになるかもしれません。
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