地域密着型通所介護は、1日の利用定員が19人未満、つまり18人以下の小規模なデイサービスです。要介護1~5の方が日帰りで通い、食事・入浴・機能訓練・交流などの支援を受けながら、在宅生活の継続を目指します。
原則として利用できるのは、事業所が所在する市区町村の住民です。少人数で落ち着いて過ごしたい方には合いやすい一方、活動内容や職員体制は事業所ごとに異なります。「小規模だから合う」と決めつけず、見学して本人との相性を確認することが大切です。
地域密着型通所介護の要点
- 利用定員は19人未満
- 介護保険上の対象は要介護1~5
- 原則として事業所所在地の市区町村の住民が利用
- 7時間以上8時間未満の基本単位は753~1,312単位
- 食費・おむつ代などは別途負担
- 利用前に活動内容、入浴、医療対応、送迎、料金を確認
地域密着型通所介護とは
地域密着型通所介護は、自宅などで暮らす要介護者が小規模な事業所へ通い、必要な介護や生活支援を受ける地域密着型サービスです。
厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、本人が可能な限り自宅で自立した生活を送ることに加え、社会的孤立感の解消、心身機能の維持、家族の介護負担の軽減などが目的として示されています。
主に提供されるのは次のサービスです。
- 自宅と事業所の間の送迎
- 健康状態の確認
- 食事・水分摂取の支援
- 入浴・排せつなどの日常生活上の介助
- 身体機能や生活機能の維持・向上を目指す機能訓練
- レクリエーションや他者との交流
- 生活上の相談や家族への助言
ただし、すべての事業所で入浴、個別機能訓練、医療的ケアなどを同じように提供しているわけではありません。希望する支援を受けられるかは、契約前に確認が必要です。
通常の通所介護・認知症対応型通所介護との違い
| 比較項目 | 地域密着型通所介護 | 通常の通所介護 | 認知症対応型通所介護 |
|---|---|---|---|
| 主な対象 | 要介護1~5 | 要介護1~5 | 認知症のある要支援1・2、要介護1~5 |
| 規模 | 利用定員19人未満 | 原則として利用定員19人以上 | 少人数で認知症ケアに対応 |
| 特徴 | 小規模で地域との関係を重視 | 設備や活動の選択肢が比較的多い事業所もある | 認知症の特性に配慮した支援 |
| 住所要件 | 原則として事業所所在地の市区町村の住民 | 地域密着型と同じ住所要件はない | 原則として事業所所在地の市区町村の住民 |
一般的なデイサービスの仕組みは、デイサービス(通所介護)とは?対象者・サービス内容・料金・選び方の巻で詳しく解説しています。
地域密着型通所介護でも認知症の方を受け入れている事業所はありますが、認知症対応型通所介護と同じ専門的な体制が必ずあるわけではありません。認知症による不安や帰宅願望、集団へのなじみにくさが強い場合は、認知症対応型通所介護とは?対象・費用・デイサービスとの違いを社会福祉士が解説の巻も含めてケアマネジャーと検討します。
利用できる人と市区町村の要件
介護保険の地域密着型通所介護を利用できるのは、自宅や有料老人ホームなどの居宅で生活する要介護1~5の方です。要支援1・2の方は利用できません。
ただし、同じ事業所が市区町村の介護予防・日常生活支援総合事業による通所型サービスを実施している場合など、別の制度で通える可能性があります。要支援の方は地域包括支援センターへ確認してください。
また、「地域密着型」という名前のとおり、原則として事業所が所在する市区町村の住民が利用します。隣の市区町村にある事業所を自由に選べるとは限りません。市区町村外の事業所を希望する場合や住所地特例が関係する場合は、担当ケアマネジャーと市区町村の介護保険担当窓口へ確認します。
利用時間は事業所とケアプランで異なる
地域密着型通所介護には、3時間以上4時間未満から8時間以上9時間未満まで複数の基本報酬区分があります。半日型、1日型、機能訓練中心など、実際の時間帯や1日の過ごし方は事業所によって異なります。
利用回数も一律ではありません。本人の心身状態、利用目的、家族の状況、介護保険の支給限度額などを踏まえ、ケアプランで調整します。
費用の目安
2026年8月時点で確認できる基本単位のうち、7時間以上8時間未満を利用した場合は次のとおりです。
| 要介護度 | 基本単位 | 1割負担の概算 |
|---|---|---|
| 要介護1 | 753単位 | 約753円 |
| 要介護2 | 890単位 | 約890円 |
| 要介護3 | 1,032単位 | 約1,032円 |
| 要介護4 | 1,172単位 | 約1,172円 |
| 要介護5 | 1,312単位 | 約1,312円 |
概算は1単位を10円として計算しています。実際の自己負担は、地域ごとの1単位当たりの単価、1~3割の負担割合、事業所が算定する加算、端数処理などで変わります。送迎にかかる費用は基本報酬に含まれますが、事業所が送迎を行わない場合は減算されることがあります。
基本料金に加わることがある費用
事業所の体制や実際に受けた支援によって、入浴介助、個別機能訓練、認知症への対応、口腔・栄養支援、サービス提供体制などの加算がつくことがあります。
さらに、2026年6月から拡充された介護職員等処遇改善加算は、地域密着型通所介護の場合、事業所が取得する区分に応じて8.9%~12.7%です。すべての事業所が同じ割合ではないため、重要事項説明書や料金表で確認します。
介護保険とは別にかかる実費
- 昼食代・おやつ代
- おむつやパッド代
- レクリエーションの材料費
- 希望による日用品や理美容などの費用
- キャンセル料や時間外対応の費用
これらは全国一律ではなく、事業所が定めます。「1回の利用で合計いくらになるか」を、予定される加算と食費を含めて確認してください。
宿泊は介護保険サービスに含まれない
地域密着型通所介護は日帰りのサービスであり、宿泊は介護保険の地域密着型通所介護に含まれません。ただし、同じ事業所が介護保険外の宿泊サービスを別に提供している場合があります。
宿泊も含めて一つの事業所から「通い・訪問・宿泊」を受けたい場合は、小規模多機能型居宅介護とは?通い・訪問・宿泊、費用と注意点を社会福祉士が解説の巻が別の選択肢です。
利用開始までの流れ
- 要介護認定を確認する:未申請なら市区町村や地域包括支援センターへ相談します。
- ケアマネジャーへ目的を伝える:入浴、外出、機能訓練、家族の休息など、利用したい理由を具体的に伝えます。
- 候補の事業所を見学する:空き状況、雰囲気、活動内容、必要な介助を確認します。
- 料金と重要事項の説明を受ける:基本料金、加算、食費、送迎、キャンセル料、緊急時対応を確認します。
- ケアプランに位置づけて契約する:内容に納得したうえで利用を開始します。
介護保険の相談時期や要介護認定の流れは、介護保険はいつ相談する?早めに確認したい7つのサインと申請の流れの巻で確認できます。
社会福祉士が見学時に確認したい8項目
相談の現場では、設備やプログラムだけで事業所を選び、利用後に「思っていた雰囲気と違った」となることがあります。小規模であることは選択材料の一つですが、本人との相性を保証するものではありません。
- 本人が落ち着いて過ごせそうな雰囲気か
- 職員の声かけが丁寧で、本人の希望を聞いているか
- 入浴・食事・排せつで必要な介助を受けられるか
- 看護職員の配置時間と医療面の対応範囲
- 体調不良や事故が起きたときの連絡方法
- 送迎範囲・時間と、玄関から車までの介助内容
- 家族やケアマネジャーへの報告方法
- 加算・食費・キャンセル料を含む1回の負担額
本人が「楽しかった」と言うかだけでなく、帰宅後に極端に疲れていないか、拒否が強くなっていないか、生活リズムが整ったかを確認し、必要ならケアマネジャーと利用方法を見直します。
公式情報
まとめ
- 地域密着型通所介護は利用定員19人未満の小規模なデイサービス
- 対象は要介護1~5で、原則として事業所所在地の市区町村の住民
- 7時間以上8時間未満の基本単位は753~1,312単位
- 加算、食費、サービス内容は事業所ごとに確認が必要
- 小規模という条件だけで選ばず、本人との相性を見学で確認する
※本記事は2026年8月時点の公的資料をもとに、地域密着型通所介護の概要を一般向けにまとめたものです。実際の利用条件、自己負担額、加算、食費、提供時間、サービス内容は、自治体・事業所・本人の状態によって異なります。利用前に担当ケアマネジャー、市区町村、利用予定の事業所へ確認してください。

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