退職前に会社から何を受け取る?離職票・源泉徴収票・資格喪失証明書の使い道の巻

退職前に会社から受け取る書類を種類別に整理する夫婦のイラスト 老後に関する知識や考え方

退職前にするべきことは、書類を全部その場で受け取ることではなく、「何を、いつ、どこへ送ってもらうか」を会社と確認することです。離職票、源泉徴収票、健康保険の資格喪失を証明する書類は、使い道も発行時期も異なり、退職日にそろわないものがあります。

再就職、失業等給付、国民健康保険や家族の扶養への切替え、確定申告の予定によって必要書類は変わります。この記事では、退職前に会社へ確認したい書類、届いた後の確認点、届かない場合の相談先を整理します。

最初に確認したい3つの書類

書類主な使い道退職前の確認
雇用保険被保険者離職票-1・2ハローワークで基本手当などを申請交付を希望すると伝え、離職理由を確認する
給与所得の源泉徴収票再就職先の年末調整、本人の確定申告郵送か電子交付か、送付時期を確認する
健康保険資格喪失証明書など国民健康保険、家族の被扶養者等への切替え必要な名称を手続先へ聞き、会社等へ依頼する

「会社から受け取る書類」と呼ばれていても、会社が作成するもの、会社がハローワークへ届け出た後に交付されるもの、本人が日本年金機構へ請求できるものがあります。退職日に手渡されないだけで未発行とは限りません。発送予定日と問い合わせ先を記録します。

離職票は失業等給付の手続きに使う

離職票-1・2は、雇用保険の基本手当などを受けるため、住所地を管轄するハローワークへ提出する書類です。会社は、雇用保険の資格喪失届と、必要な場合の離職証明書を事業所管轄のハローワークへ提出します。その後、離職者へ離職票が交付されるため、通常は退職日の当日に会社が完成品を渡せる書類ではありません。

退職前には、会社が作成する離職証明書の離職理由や賃金の記載を確認します。自己都合、会社都合、契約期間満了などの区分は、給付制限や受給日数の判断に関わることがあります。実際の経緯と違うと感じたら、署名する前に会社へ確認し、届いた離職票でも異議があれば資料を持ってハローワークへ相談します。最終的な離職理由はハローワークが確認します。

すぐ再就職するため基本手当を申請しない予定でも、状況が変わる可能性があります。交付の要否を会社へ明確に伝え、不要と判断する場合も雇用保険被保険者証や被保険者番号を確認しておきます。離職票が届かず会社へ連絡できない場合は、住所地を管轄するハローワークへ相談できます。

源泉徴収票は給与分と退職金分を区別する

一般に転職や確定申告で使うのは「給与所得の源泉徴収票」です。その年に支払われた給与、社会保険料、源泉徴収税額などが記載されます。年の途中で再就職し、再就職先で前職分を含めて年末調整してもらうときに提出します。確認できなければ再就職先で年末調整できず、本人が確定申告で精算する場合があります。

国税庁は、年の途中で退職した人への給与所得の源泉徴収票を、退職の日以後1か月以内に交付するよう案内しています。紙だけでなく、本人の承諾等の要件を満たす電子交付もあります。退職後に会社の社内システムへ入れなくなるなら、個人のメールアドレスで受け取れるか、郵送先はどこかを退職前に確認します。

退職金を受け取る場合は、給与所得とは別に「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」が交付されます。名前が似ていますが用途が異なるため、一枚にまとまると思わず、給与分と退職金分を分けて保管します。届いたら氏名、住所、支払金額、退職日、会社名に誤りがないか確認してください。

資格喪失証明書は健康保険の切替えに使う

会社の健康保険の資格は原則として退職日の翌日に喪失します。次の勤務先の健康保険に入るまで空白がある場合は、国民健康保険、任意継続、家族の健康保険の被扶養者という選択肢を確認します。どの手続きでも同じ書類を使えるとは限りません。

国民健康保険では、以前の健康保険を喪失した日を証明する書類を求められます。自治体によって、健康保険資格喪失証明書、退職証明書、離職票など、受け付ける書類が異なる場合があります。先に住民票のある市区町村へ必要書類を確認し、その名称を会社の人事担当へ伝えます。

協会けんぽに加入していた人は、日本年金機構へ「健康保険・厚生年金保険 資格取得・資格喪失等確認請求書」を提出して、喪失日を証明する通知書を請求する方法もあります。会社からの書類を待つ間に手続き期限が近づく場合は、市区町村、年金事務所、加入していた健康保険へ早めに相談します。

任意継続は書類待ちで期限を過ぎない

協会けんぽの任意継続は、原則として資格喪失日の前日までに継続2か月以上の被保険者期間があり、資格喪失日から20日以内に申出書を提出することが条件です。郵送は到着日で判断されるため、証明書がまだないことを理由に放置しません。協会けんぽは、退職日の確認書類を任意添付とし、添付がなくても申出を受け付ける案内をしています。

国民健康保険や家族の扶養にも期限や収入要件があります。保険料だけで決めず、扶養家族の有無、給付内容、退職後の収入見込みを整理し、各窓口で比較します。老後のお金全体の整理は、老後の不安を30分で整理する確認シートも参考にしてください。

ほかに会社へ確認したい書類と情報

  • 退職証明書:使用期間、業務の種類、地位、賃金、退職理由など、本人が請求した事項を会社が証明します。労働基準法では、請求があった場合に遅滞なく交付することとされています。
  • 雇用保険被保険者証:雇用保険の被保険者番号を次の勤務先で確認するときに使います。紛失時はハローワークへ再交付を相談できます。
  • 退職金の明細・規程:支給日、算定内容、振込先、企業年金や確定拠出年金の移換手続きの有無を確認します。
  • 最終給与・住民税の案内:最終給与の支給日、未精算の経費、住民税の徴収方法、社宅や福利厚生の終了日を確認します。
  • 年金関係の番号・案内:基礎年金番号が分かる書類、企業年金の連絡先、退職後の移換期限を確認します。

会社が預かっている資格確認書、社員証、入館証、パソコン、鍵などは返却対象を一覧にします。一方、給与明細や自分に交付された規程を保存する際も、顧客情報、患者情報、社内の秘密情報を持ち出してはいけません。個人書類と会社情報を分けて整理します。

退職前から退職後1か月までの確認表

時期行うこと記録すること
退職を決めたら再就職、失業等給付、健康保険の予定を整理必要書類と提出先
退職前離職票の希望、証明書、送付方法を人事へ確認担当窓口、発送予定日、退職後の連絡先
退職日貸与品返却、最終出勤関係の控えを確認返却品、未精算費用、最終給与日
退職後早めに健康保険、年金、雇用保険の期限を確認申請日、受付先、追加書類
退職後1か月まで源泉徴収票などの到着と内容を確認未着・誤記があれば会社へ連絡

手続き中の生活費は、退職金や失業等給付がすぐ入る前提で組まない方が安全です。受給開始や精算には時間がかかることがあります。退職後の収入と支出を年単位で確認する場合は、年金と生活費から老後資金の不足額を計算する方法につなげて整理できます。

書類が届かない、内容が違うときの相談先

  1. まず会社の人事・給与担当へ:退職日、社員番号、書類名、発送予定日、送付先を確認します。電話だけでなく、日時と回答を記録します。
  2. 離職票はハローワークへ:会社から交付されない、連絡できない、離職理由に異議がある場合は住所地管轄のハローワークへ相談します。
  3. 源泉徴収票は税務署へ:交付期限を過ぎ、会社へ求めても交付されない場合は、税務署の「源泉徴収票不交付の届出書」を確認します。
  4. 資格喪失の証明は年金事務所等へ:協会けんぽの資格喪失日は日本年金機構へ確認請求できます。健康保険組合の場合は加入していた組合へ確認します。
  5. 退職証明書は労働基準監督署等へ:請求しても会社が交付しない場合は、所在地を管轄する労働基準監督署へ相談します。

よくある質問

離職票は全員が必ず使いますか?

全員が基本手当を申請するわけではありませんが、申請する場合の中心書類です。すぐ再就職する人でも予定変更があり得るため、必要性を判断し、希望するなら退職前に会社へ伝えます。

資格喪失証明書が届くまで健康保険の手続きはできませんか?

手続先によって代替書類や後日の追加提出を認める場合があります。任意継続のように期限が短い制度もあるため、書類がないまま待たず、市区町村、健康保険、年金事務所へ確認してください。

定年後も働く場合、年金関係で何を確認しますか?

再雇用後の厚生年金加入、給与、受給開始年齢によって確認点が変わります。働きながら年金を受け取る予定がある人は、在職老齢年金の仕組みと確認手順も併せて確認し、年金事務所や勤務先へ相談してください。

まとめ

退職前には、離職票、給与所得の源泉徴収票、健康保険資格喪失証明書等について、必要性、交付方法、発送予定日、退職後の問い合わせ先を確認します。離職票は失業等給付、源泉徴収票は年末調整や確定申告、資格喪失の証明は健康保険の切替えに使います。

書類が退職日にそろわなくても、手続き期限は待ってくれません。提出先へ代替書類を確認し、未着なら会社、ハローワーク、税務署、年金事務所など適切な窓口へ早めに相談してください。受け取った書類は内容を確認し、紙と電子データを安全に保管しましょう。

参考にした公的情報

※本記事は2026年10月4日時点の公的情報を基にしています。必要書類、期限、電子交付、代替書類は、退職理由、加入制度、自治体、会社によって異なります。実際の手続きは勤務先と各提出先へ確認してください。

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