定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは?対象・費用・利用方法を解説の巻

介護に関する知識や考え方

「夜間の排せつ介助が必要」「薬を飲めたか1日に何度か確認してほしい」「一人暮らしで急変時が心配」。こうした在宅介護の悩みに対し、短時間の訪問と随時の連絡対応を24時間体制で組み合わせるのが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護です。

名前が長く仕組みも少し複雑なため、社会福祉士の視点から、対象者、受けられる支援、費用、利用前の確認点をわかりやすく整理します。

この記事の要点

  • 要介護1~5の人が対象となる地域密着型サービス
  • 「定期巡回・随時対応・随時訪問・訪問看護」の4機能で在宅生活を支える
  • 基本報酬は月額制だが、加算や他サービス利用による減算などで実際の負担額は変わる
  • 利用を考えたら、まず担当ケアマネジャーか地域包括支援センターへ相談する

定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは

介護職員や看護職員が、利用者の心身の状態や生活リズムに合わせて支援する介護保険の地域密着型サービスです。決まった時間に長時間滞在する一般的な訪問介護とは異なり、必要な場面に短時間の訪問を複数回組み合わせ、利用者からの通報にも24時間対応します。

「24時間対応」は、職員が常に自宅にいる、電話すれば必ず看護師がすぐ来る、という意味ではありません。通報を受けたオペレーターが状況を確認し、相談対応で足りるか、介護職員や看護職員の訪問が必要かを判断します。

サービスを構成する4つの機能

機能内容具体例
定期巡回計画に沿って介護職員が定期的に訪問排せつ介助、服薬の声かけ、起床・就寝介助、安否確認など
随時対応利用者や家族からの通報をオペレーターが受けて状況を確認転倒した、体調がいつもと違う、介助方法に迷ったときの相談など
随時訪問随時対応の判断により介護職員などが訪問転倒後の状態確認、急な排せつ介助など
訪問看護主治医の指示に基づき看護職員などが療養上の世話や診療の補助を実施健康状態の観察、服薬管理、褥瘡ケアなど

訪問内容や回数は一律ではありません。利用者の状態を評価し、ケアマネジャーの居宅サービス計画と事業所の計画に基づいて決まります。「1回○分」「1日必ず○回」と固定されたサービスではない点が大切です。

一体型と連携型の違い

  • 一体型事業所:同じ事業所が訪問介護と訪問看護の両方を提供します。
  • 連携型事業所:定期巡回事業所が地域の訪問看護事業所と連携して看護を提供します。

訪問看護を利用するには、主治医の指示が必要です。介護のみを利用する場合でも、看護職員による定期的な状態確認が行われます。看護の提供方法や緊急時の連絡先は、契約前に事業所へ確認しましょう。

利用できる人

  • 自宅などの居宅で生活している
  • 要介護1~5の認定を受けている
  • 原則として、利用する事業所がある市区町村の住民である

要支援1・2の人は対象外です。また、地域密着型サービスのため、近隣市区町村に事業所があっても原則利用できない場合があります。自治体による同意など例外もあるため、住んでいる市区町村へ確認してください。

どんな人に合いやすいか

  • 排せつ、服薬、食事などで1日に複数回の支援が必要な人
  • 一人暮らしや高齢者のみの世帯で、夜間・早朝の不安がある人
  • 退院後も医療と介護の連携が必要な人
  • 施設入所ではなく、できる限り自宅で暮らし続けたい人

反対に、掃除や買い物をまとめて長時間依頼したい場合、常時の見守りが必要な場合は、このサービスだけでは希望を満たしにくいことがあります。通所介護、ショートステイ、福祉用具、施設入所などを含めて検討します。

基本料金の目安

次の表は、厚生労働省「介護サービス情報公表システム」に掲載されている基本報酬を、自己負担1割・1単位10円として示した月額の目安です(2026年7月確認)。

要介護度訪問看護あり訪問看護なし
要介護17,946円5,446円
要介護212,413円9,720円
要介護318,948円16,140円
要介護423,358円20,417円
要介護528,298円24,692円

実際の請求額は、地域ごとの1単位の単価、自己負担割合(1~3割)、各種加算・減算、月途中の利用開始・終了などで変わります。食材料費など保険対象外の費用や、通常の事業実施地域外での交通費が発生する場合もあります。

「月額制=何回使っても同じ」とは限りません

基本報酬は月額ですが、夜間のみ利用する類型では月額と訪問回数ごとの報酬を組み合わせます。また、通所系サービスや短期入所を利用した日には減算が生じるなど、利用内容で計算が変わります。必ずケアマネジャーか事業所から見積もりを受けてください。

厚生労働省 介護サービス情報公表システム「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」

ほかのサービスとの併用で注意すること

定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用している間は、原則として別の訪問介護費や夜間対応型訪問介護費を重ねて算定できません。訪問看護も、このサービスに含める場合と別の訪問看護事業所を利用できる場合があり、病名や指示内容などで扱いが異なります。

通所介護やショートステイなどは併用できますが、利用日数に応じて定期巡回側の報酬が調整される場合があります。現在利用中のサービスを自己判断で解約せず、ケアマネジャーに組み合わせを確認してください。

利用開始までの流れ

  1. 相談する:担当ケアマネジャーへ相談。担当者がいない場合は地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口へ連絡します。
  2. 事業所を探す:市区町村内に対象事業所があるか、空きがあるかを確認します。
  3. 状態を確認する:事業所が本人の心身状態、生活リズム、家族の状況、住環境を確認します。
  4. ケアプランを調整する:必要な定期訪問、通報方法、緊急時の対応、訪問看護の要否を決めます。
  5. 説明・契約後に利用開始:費用、対応範囲、連絡方法を確認して契約します。

契約前に確認したい8項目

  • 予定している訪問の時間帯と回数
  • 通報に使う機器と、本人が操作できない場合の方法
  • 夜間や緊急時に誰が判断し、どの程度で訪問できるか
  • 訪問看護の提供方法と主治医との連携
  • 対応できる医療的ケアと、対応できないこと
  • 他の介護サービスとの併用可否
  • 加算や保険外費用を含む月額見込み
  • 災害、停電、通信障害時の対応

迷ったときの相談先

サービス名から決めるのではなく、「夜中のトイレ介助が難しい」「薬の飲み忘れが増えた」など、困っている場面を具体的に伝えることが大切です。

  • 担当のケアマネジャー
  • 地域包括支援センター
  • 市区町村の介護保険担当窓口

呼吸が苦しい、意識がもうろうとしている、強い胸痛があるなど緊急性が高い状態では、介護事業所への連絡だけで済ませず119番を含む救急要請を検討してください。

まとめ

  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、短時間の定期訪問と随時対応を24時間体制で組み合わせる地域密着型サービス
  • 対象は原則、その市区町村に住む要介護1~5の人
  • 訪問看護は主治医の指示に基づいて提供される
  • 基本報酬は月額だが、実際の負担額は地域、負担割合、加算、併用サービスで変わる

1日に複数回の支援や夜間の不安が在宅生活の壁になっているとき、有力な選択肢になり得ます。本人と家族が無理を重ねる前に、具体的な困りごとをケアマネジャーや地域包括支援センターへ伝えてください。

※本記事は2026年7月時点の公的情報を基にした一般的な解説です。自治体、事業所、本人の状態によって利用条件や費用は異なります。個別の利用については市区町村、ケアマネジャー、サービス事業所へご確認ください。

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